ギャンブルやインターネットゲームが「やめたくてもやめられない」状態になっていませんか?これは意思の弱さではなく、治療が必要な病気です。当院では回復への具体的な道のりを一緒に考えます。
自分の意志ではコントロールできない「心の病」
 
- コントロールを失い、やめられない
- 日常生活よりゲームを優先する
- 問題が起きても続けてしまう
- 以前より多くの時間やお金を費やす
- しないと落ち着かない、イライラする
- 嘘をついて隠そうとする
1. この病気とは?
「ギャンブルやインターネットゲームが、やめたくてもやめられない」。もしあなたやあなたの大切な人がそんな状態に陥っているなら、それは単なる「意志の弱さ」や「だらしなさ」の問題ではありません。それは「嗜癖行動症(しへきこうどうしょう)」という、専門的な治療やサポートが必要な「心の病」です。
嗜癖行動症は、特定の行動(プロセス)にのめり込み、自分ではコントロールできなくなってしまう状態を指します。かつては「プロセス依存」とも呼ばれていました。私たちの脳には、何か良いことがあると「快感」を感じる「報酬系」という仕組みがあります。嗜癖行動症では、この報酬系が特定の行動によって過剰に刺激され続け、いわば「ハイジャック」されたような状態になります。
例えるなら、脳の中に「ごほうびを求める暴走列車」が走り出してしまうようなものです。最初は楽しむために乗っていたはずが、次第に列車はスピードを上げ、自分の意思ではブレーキが効かなくなり、どこに向かうのかもわからなくなってしまいます。その結果、学業、仕事、家族関係、経済状況といった人生の大切な部分に深刻な問題が起きていても、その行動をやめることができなくなってしまうのです。
現在、国際的な診断基準で正式に嗜癖行動症として認められているのは「ギャンブル行動症」と「インターネットゲーム行動症(ゲーム障害)」の2つです。どちらも、その行動が生活の中心となり、他の何よりも優先されるようになる点で共通しています。
大切なのは、「これは病気であり、治療によって回復できる」と知ることです。一人で抱え込まず、専門家に相談することが、暴走列車を安全に停車させ、穏やかな日常を取り戻すための第一歩となります。

2. 主な症状
嗜癖行動症の症状は、単に行為に費やす時間やお金が多いというだけではありません。以下のような特徴が見られます。ご自身やご家族に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
| 症状の種類 | ギャンブル行動症の具体例 | インターネットゲーム行動症の具体例 | 
| コントロール障害 | 使う金額や時間を決めても守れないと「これで最後」と思ってもやめられない | プレイ時間を自分で中断できない夜更かしが続き、睡眠不足になる | 
| 耐性 | 以前と同じ興奮を得るため、賭け金が増えていく | 満足感を得るため、プレイ時間がどんどん長くなる | 
| 離脱症状 | やめようとするとイライラしたり、落ち着かなくなったりする | ゲームができないと不機嫌になったり、落ち込んだりする | 
| 生活の中心になる | 常にギャンブルのことを考え、他のことが手につかない 仕事や家庭を犠牲にしてギャンブルに行く | ゲームが生活の最優先事項になる 食事や入浴もおろそかになることがある | 
| 問題の否認と嘘 | 借金や家族との問題を認めず、「自分は依存症ではない」と主張する お金の出所や行動について嘘をつく | プレイ時間や課金額を少なくごまかす 成績の低下や昼夜逆転を認めようとしない | 
| 負の感情からの逃避 | 嫌な気分や問題を忘れるためにギャンブルをする | 現実の対人関係の悩みから逃れるためにゲームの世界に没頭する | 
| 問題の継続 | 借金や失業など、大きな問題が起きてもギャンブルをやめられない | 成績不振や不登校、家族との衝突が起きてもゲームをやめられない | 
これらの症状は、嗜癖行動症が進行性の病気であることを示しています。放置すればするほど、問題は深刻化し、回復が難しくなる可能性があります。一つでも当てはまる場合は、早めに専門家へご相談ください。

3. 原因やきっかけ
嗜癖行動症は、単一の原因で発症するわけではありません。生物学的要因(脳の特性や遺伝)、心理的要因(性格や心の傷)、社会的要因(環境や人間関係)が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
ギャンブル行動症のきっかけとなりやすい要因
- 大きな勝ち体験: 
 最初は軽い気持ちで始めたギャンブルで大金を手にした体験が、脳の報酬系を強く刺激し、「また勝てるはずだ」という思考にとらわれるきっかけになります。
- ストレスからの逃避: 
 仕事のプレッシャー、家庭内の不和、経済的な悩みなど、つらい現実から逃れるための手段としてギャンブルにのめり込んでしまうケースは少なくありません。ギャンブルをしている間は、その興奮が悩みを忘れさせてくれるからです。
- 誤った認知(考え方の癖): 
 「負けが続いているから、次は必ず勝つ」「失った分はギャンブルで取り返すしかない」といった、非合理的な考え方(ギャンブラーの誤謬)が、行動をエスカレートさせます。
- アクセスの容易さ: 
 2024年現在、スマートフォンやパソコンから24時間いつでもアクセスできるオンラインギャンブルの利用者が増えており、これが新たな入り口となっています。特に新型コロナウイルス感染拡大以降、利用が増えたという報告もあります。
インターネットゲーム行動症のきっかけとなりやすい要因
- 現実世界での居場所のなさ: 
 学校でのいじめ、友人関係の悩み、家庭での孤立感など、現実世界に安心できる居場所がないと感じる子どもや若者が、オンラインゲームの世界に救いを求めることがあります。ゲーム内では、自分の分身(アバター)を通じて、現実とは違う自分になれたり、仲間と協力して目標を達成したりする達成感を得ることができます。
- 自己肯定感の低さ: 
 自分に自信が持てない、褒められた経験が少ないといった自己肯定感の低さを抱えている場合、ゲーム内でレベルを上げたり、難しいミッションをクリアしたりすることで手軽に承認欲求や万能感を満たすことができます。
- 依存しやすいゲームの特性:
- 終わりがない: 
 MMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)のように、明確なエンディングがなく、常に新しいイベントやアイテムが追加されるゲーム。
- 仲間との協力: チームを組んで戦うe-スポーツなど、仲間との連帯感や貢献意識が強まるゲーム。
- 課金システム(ガチャ): 
 欲しいアイテムが手に入るまで何度も課金を繰り返させる「ガチャ」などの仕組みは、ギャンブルと非常によく似た射幸心を煽ります。
 
- 終わりがない: 
- 発達障害との関連: 
 注意欠如・多動症(ADHD)の特性である衝動性(待てない、考えずに行動する)や、自閉スペクトラム症(ASD)の特性である特定の物事への強いこだわりや対人関係の苦手さが、ゲームへの過度なのめり込みにつながることがあります。
これらの要因は、あくまで「きっかけ」であり、誰もが嗜癖行動症になるわけではありません。しかし、これらの要因が重なったとき、発症のリスクは高まるといえるでしょう。
4. 診断の流れ
「もしかしたら嗜癖行動症かもしれない」と感じたら、まずは精神科や心療内科などの専門医療機関にご相談ください。診断は、患者さんご本人やご家族からのお話を丁寧にお伺いすることから始まります。
1. 問診
医師が、以下のような内容について詳しくお話を伺います。ご家族からの情報も非常に重要になりますので、可能であれば一緒に受診されることをお勧めします。
- いつから、どのような種類のギャンブルやゲームをしていますか?
- どのくらいの頻度で、1回にどのくらいの時間やお金を使っていますか?
- やめようと思ってもやめられない、と感じたことはありますか?
- やめようとしたときに、イライラするなどの不快な気分になりましたか?
- ギャンブルやゲームのために、嘘をついたことがありますか?
- 学業、仕事、家庭生活、友人関係などに、どのような影響が出ていますか?
- 他の精神的な問題(うつ、不安、不眠など)はありませんか?

2. スクリーニングテスト
客観的に状態を評価するため、質問紙形式の簡単なテストを行うことがあります。
3. 診断基準との照らし合わせ
お伺いした内容を、国際的な診断基準であるICD-11(国際疾病分類第11版)やDSM-5-TR(米国精神医学会「精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版」)と照らし合わせて診断を確定します。
- ギャンブル行動症: 
 DSM-5-TRでは、9つの基準のうち4つ以上が過去12ヶ月間に当てはまる場合に診断されます。
- インターネットゲーム行動症(ゲーム障害): 
 ICD-11では、「ゲームのコントロールができない」「他のことよりゲームを優先する」「問題が起きても続ける」といった特徴が12ヶ月以上続く場合に診断されます。DSM-5-TRでは「インターネットゲーム障害」として、今後のさらなる研究が必要な病態と位置づけられています。
4. 合併症の評価
嗜癖行動症は、うつ病、不安症、発達障害などの他の精神疾患を合併していることが少なくありません。また、ギャンブルによる多重債務や、ゲームへの没頭による栄養失調、睡眠障害といった身体的な問題、社会的な問題が生じている場合も多いため、これらの評価も同時に行い、包括的な治療計画を立てていきます。

診断は、あなたを責めたり、レッテルを貼ったりするために行うものではありません。あなたの状態を正しく理解し、回復への最も良い道のりを一緒に見つけるためのスタート地点です。安心してご相談ください。
5. 主な治療法
嗜癖行動症の治療の目標は、単に問題行動を「断つ」ことだけではありません。その背景にある生きづらさやストレスに対処する方法を身につけ、より豊かで安定した生活を送れるようになることを目指します。治療は、心理社会的治療が中心となり、必要に応じて薬物療法を組み合わせます。
治療の2つの柱
| 治療法 | 内容 | 
| 心理社会的治療 | 認知行動療法(CBT): 嗜癖行動につながる考え方の癖(認知の歪み)を見つけ、より現実的でバランスの取れた考え方ができるようにサポートします。 例えば、「負けを取り返すにはギャンブルしかない」という考えに対し、「他にどんな解決策があるだろうか?」と一緒に考え、具体的な行動計画を立てていきます。 動機づけ面接: 患者さん自身が「変わりたい」という気持ちを高め、治療に主体的に取り組めるようサポートする面接方法です。 集団精神療法: 同じ悩みを抱える仲間と話し合うグループミーティングです。 自分の体験を語り、他者の話を聞く中で、孤独感が和らぎ、回復へのヒントを得ることができます。 自助グループ(GA/NA): ギャンブラーズ・アノニマス(GA)やナルコティクス・アノニマス(NA)など、同じ問題を抱える当事者同士が支え合うグループです。 匿名で参加でき、回復を続ける上で大きな支えとなります。 | 
| 薬物療法 | 現状(2025年時点): 嗜癖行動症そのものに対して、日本で正式に承認された治療薬はありません。 合併症に対する治療: うつ病や不安症など、併存する他の精神疾患に対しては、抗うつ薬や抗不安薬などを使用することがあります。 これらの症状が改善することで、嗜癖行動もおさまりやすくなることがあります。 研究段階の薬物: 海外では、ギャンブルへの渇望を抑える効果が期待される薬物(ナルトレキソンなど)の研究が進められています。 | 
さらに詳しく知りたい方はこちらに進んでください 精神科の薬物療法について>>
目標設定の違い
- ギャンブル行動症: 
 目標は原則として「断ギャンブル」です。少量のギャンブルでも脳の報酬系を刺激し、コントロールを失うきっかけになりやすいため、「ほどほどに楽しむ」ことは非常に困難です。
- インターネットゲーム行動症: 
 現代社会でインターネットを完全に断つことは非現実的です。そのため、目標は「ゲームとの健康的な付き合い方(コントロールされた使用)」を身につけることになります。利用時間や場所のルール作り、現実世界での楽しみを見つけることなどをサポートします。

治療は一本道ではありません。試行錯誤を繰り返しながら、あなたに合った方法を一緒に見つけていきましょう。
6. 回復や再発予防について
嗜癖行動症からの回復は、マラソンのような長い道のりです。「完治」という明確なゴールがあるわけではなく、「回復し続ける」という生涯を通じたプロセスと捉えることが大切です。治療によって問題行動がなくなった後も、再発(スリップ)の可能性は常にあります。しかし、適切な知識と対処法を身につけることで、再発を防ぎ、もし再発してしまっても、そこから学び、再び回復の軌道に戻ることが可能です。
再発の引き金(トリガー)を知る
再発は、特定の状況や感情が引き金となって起こることが多いです。ご自身の再発の引き金になりやすいものを把握し、それを避ける工夫が大切です。
| 引き金の種類 | 具体例 | 
| 感情的な引き金 | 強いストレス、怒り、悲しみ、孤独感、退屈 | 
| 状況的な引き金 | 現金を持つこと、特定の場所(パチンコ店、ゲームセンター)に近づくこと 特定の友人(ギャンブル仲間など)と会うこと 一人で過ごす時間が多いこと | 
| 思考の引き金 | 「少しだけなら大丈夫だろう」という油断 過去の勝ち体験や楽しいプレイ体験を思い出すこと | 
再発を予防するための具体的な方法(HALT)
再発しやすい危険な状態として、HALT(ハルト)という標語がよく使われます。これは、Hungry(空腹)、Angry(怒り)、Lonely(孤独)、Tired(疲労)の頭文字をとったものです。心身がこれらの状態にあるときは、冷静な判断力が鈍り、衝動的な行動に走りやすくなります。
- 食事をきちんととる: 
 空腹はイライラのもとです。規則正しい食生活を心がけましょう。
- 怒りを上手に処理する: 
 怒りを感じたら、その場を離れる、深呼吸する、信頼できる人に話すなど、自分なりのクールダウンの方法を見つけましょう。
- 孤立しない: 
 一人で悩みを抱え込まず、家族や友人、自助グループの仲間などと繋がることが大切です。
- 十分な休息をとる: 
 疲れていると、自己コントロールが難しくなります。質の良い睡眠をとり、無理のない生活を送りましょう。
スリップしてしまったら
もし、再びギャンブルやゲームをしてしまっても、自分を責めすぎないでください。「もうダメだ」と諦めてしまうのではなく、「なぜスリップしてしまったのか?」を冷静に振り返ることが重要です。
- すぐに専門家や支援者に連絡する。
- 何が引き金になったのかを分析する。
- 同じ状況になったとき、次はどうすればよいかを考える。
スリップは失敗ではなく、回復の過程で起こりうる一つの出来事です。そこから学び、次の一歩に繋げていくことが、回復し続けるための鍵となります。

7. 患者さんへの接し方
ご家族や身近な方が嗜癖行動症になったとき、どのように接すればよいか戸惑い、悩まれるのは当然のことです。愛情があるからこそ、心配でつい感情的になったり、問題を肩代わりしてしまったりすることもあるでしょう。しかし、良かれと思ってしたことが、かえって本人の回復を妨げてしまう「イネイブリング(支えがえし)」という関わりになってしまうことがあります。
ここでは、回復をサポートするための接し方のポイントを、具体的なNG例とOK例を交えて詳しく解説します。
重要な3つの基本姿勢
- 焦らせない: 
 回復には時間がかかります。「なぜまだやめられないの!」と責めても、本人のプレッシャーになるだけです。
- 比較しない: 
 「〇〇さんはちゃんとやっているのに」と他人と比較することは、本人の自己肯定感を傷つけます。
- 強制しない: 
 「ゲーム機を捨てるわよ!」といった強制的な態度は、反発を招き、信頼関係を損ないます。

具体的な場面での対応例
【場面1】問題行動(ギャンブルやゲーム)について話すとき
- NG例:
- 「いい加減にしなさい!またお金を使ったの?」
 理由: 感情的な非難は、相手を追い詰めるだけで、建設的な話し合いになりません。
- 「どうしてそんな無駄なことにお金を使うの?信じられない」
 理由: 行為そのものを否定・侮辱すると、本人は心を閉ざしてしまいます。
 
- 「いい加減にしなさい!またお金を使ったの?」
- OK例:
- 「あなたがギャンブル(ゲーム)にお金(時間)をたくさん使っていることで、私はとても心配しています」と、「私」を主語にして自分の気持ち(Iメッセージ)を伝える。
 理由: 「あなた」を主語にすると非難に聞こえますが、「私」を主語にすることで、あくまで自分の感情として冷静に伝えられます。
- 「最近、お金のことで困っていることはない?」「何か手伝えることはある?」と、本人の困りごとに焦点を当てて質問する。
 理由: 問題行動そのものではなく、その背景にある本人の苦悩や問題に関心を示すことで、対話の糸口が生まれます。
 
- 「あなたがギャンブル(ゲーム)にお金(時間)をたくさん使っていることで、私はとても心配しています」と、「私」を主語にして自分の気持ち(Iメッセージ)を伝える。
【場面2】金銭的な問題(借金など)が発覚したとき
- NG例:
- 「今回だけだからね」と言いながら、本人の借金を肩代わりする。
 理由: これが最も典型的なイネイブリングです。本人が自分の行動の結果と向き合う機会を奪い、「また誰かが何とかしてくれる」という依存心を生み出します。
- 本人のお金を取り上げ、完全に管理しようとする。
 理由: 本人の金銭感覚や自己管理能力を育てる機会を失わせます。また、管理の目を盗んで、新たな借金や問題行動につながることもあります。
 
- 「今回だけだからね」と言いながら、本人の借金を肩代わりする。
- OK例:
- 借金の肩代わりはきっぱりと断る。「それはあなたの行動の結果だから、自分で責任をとってください」と伝える。
 理由: 冷たいようですが、本人が問題の深刻さを自覚するために不可欠です。これを「愛情をもって突き放す(Tough Love)」と言います。
- 専門機関への相談を促す。「一人で解決するのは難しいと思うから、一緒に消費生活センターや弁護士に相談に行こう」と提案する。
 理由: 問題解決の具体的な方法を一緒に探す姿勢を示すことで、突き放すだけでなく、サポートする意思も伝えられます。
- 金銭管理については、専門家(ソーシャルワーカーなど)に相談し、共同で管理計画を立てる。
 理由: 第三者が入ることで、感情的な対立を避け、客観的で実行可能な計画を立てやすくなります。
 
- 借金の肩代わりはきっぱりと断る。「それはあなたの行動の結果だから、自分で責任をとってください」と伝える。
【場面3】嘘をつかれたとき
- NG例:
- 「嘘つき!」と激しく問い詰める。
 理由: 嘘の背景には、叱られることへの恐怖や、問題を隠したいという気持ちがあります。問い詰めるだけでは、さらに巧妙に嘘をつくようになるだけです。
 
- 「嘘つき!」と激しく問い詰める。
- OK例:
- 気づいた事実だけを冷静に伝える。「あなたの話と、この明細の内容が違うのだけれど、どういうことか説明してほしい」と、客観的な事実に基づいて話す。
 理由: 感情的な非難ではなく、事実確認を求めることで、相手も言い訳をしにくくなります。
- 「本当のことを話してくれないと、こちらもどう助けていいかわからない」と、正直に話すことのメリットを伝える。
 
- 気づいた事実だけを冷静に伝える。「あなたの話と、この明細の内容が違うのだけれど、どういうことか説明してほしい」と、客観的な事実に基づいて話す。
ご家族自身も、一人で抱え込まず、医療機関や保健所、家族会などの支援機関に相談することが非常に大切です。ご家族が心穏やかでいることが、患者さんの回復にとって何よりの支えとなります。
8. 当院でできること
神楽坂メンタルクリニックでは、嗜癖行動症でお悩みの患者さんとご家族のために、専門的な知見に基づいたサポートを提供しています。
- 専門医による診断と治療計画: 
 精神科専門医が、国際的な診断基準に基づき、的確な診断を行います。その上で、患者さん一人ひとりの状況や背景を丁寧に伺い、ご本人やご家族と話し合いながら、回復に向けた最適な治療計画を一緒に立てていきます。
- 医師による助言・指導: 
 薬物療法だけに頼るのではなく、認知行動療法の考え方に基づいた面接を行います。嗜癖行動の引き金となる考え方や行動のパターンを一緒に見つけ出し、具体的な対処法を学び、再発しにくい生活習慣を身につけるための助言や指導を継続的に行います。
- ご家族へのサポート: 
 患者さんご本人だけでなく、ご家族からの相談にも積極的に応じています。患者さんへの適切な接し方や、ご家族自身のストレスケアについて助言し、家族全体が回復のプロセスを歩んでいけるようサポートします。
- 各種支援機関との連携: 
 必要に応じて、自助グループ(GAなど)や、多重債務の問題に対応する司法書士・弁護士、地域の保健所など、専門的な支援機関をご紹介し、円滑な連携を図ります。当院は、回復に必要な社会的資源とあなたを繋ぐ「ハブ」の役割も担います。
- 心理士によるカウンセリング(準備中): 
 現在、より専門的な心理的サポートを提供するため、公認心理師によるカウンセリングの導入を準備しております。導入後は、認知行動療法や動機づけ面接などを通じて、よりきめ細やかな心のケアを提供できる体制を整えてまいります。
「やめたいのに、やめられない」その苦しみから抜け出す一歩を、当院と一緒に踏み出してみませんか。私たちは、あなたの回復の道のりに寄り添い、全力でサポートします。

さらに詳しく知りたい方は進んでください。ただし専門医レベルの難しい内容を含みます。
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