神楽坂メンタルクリニックの医療連携とは、外来診療を基本としながら、入院治療や専門的な検査・治療、身体の病気の精査が必要になったときに、連携医療機関へ速やかにご紹介し、治療後は当院で継続して支える仕組みです。
当院では、外来治療を中心に診療を行います。一方で、症状の重さや必要な医療資源によっては、入院治療や高度な検査・治療、集中的なリハビリが望ましい場合があります。また、こころの不調の背景に身体の病気が隠れていることや、身体の持病の治療を並行して進める必要があることもあります。当院はその際に、信頼できる医療機関と連携し、患者さんにとってできる限り安全で現実的な治療ルートを一緒に設計します。
現在の連携医療機関は、精神科領域の2施設(慶應義塾大学病院・井之頭病院)と、新宿区・千代田区・港区の総合病院5施設をあわせた計7施設です。医療連携は今後も順次拡大していく方針です。
1. 当院の医療連携の考え方
当院は「外来でできる限り支える」ことを基本にしつつ、外来だけでは安全・十分な治療が難しいと判断した場合に、連携医療機関の力を借ります。主に次のような場面が該当します。
※紹介の要否・紹介先は、診察・病状評価・ご本人の希望を踏まえて総合的に判断します。こころの症状と身体の関係については、心療内科とは?、精神の症状とは?もあわせてご覧ください。
2. 連携先一覧
当院の連携医療機関は、精神科の入院・専門治療を担う2施設と、身体の病気の検査・治療を担う総合病院5施設の計7施設です。一覧は次のとおりです。各医療機関名をタップすると詳細に移動します。
① 慶應メディカルパートナーシップ(慶應義塾大学病院との医療連携)
慶應義塾大学病院(精神・神経科)と連携し、当院からの紹介および退院後フォローを行います。
1. 当院からの主な紹介目的
- 入院が必要な病状への対応
- 専門性の高い検査や治療が必要な場合
例:TMS(反復経頭蓋磁気刺激)、ECT(電気けいれん療法)など
(※適応は病状によって異なり、最終判断は実施医療機関となります)
2. 退院後フォロー
慶應義塾大学病院から退院した患者さんの、外来での治療継続・再発予防・生活の再構築を、地域のかかりつけ医として当院で支えます。
3. 関連病院への紹介のしやすさ
必要に応じて、慶應の関連する精神科病院への紹介も可能です。


② 公益財団法人 井之頭病院
井之頭病院と連携し、入院治療が必要なケースに対して、目的に応じた入院先の相談・紹介を行います。
対応できる入院の例
- 短期の休息入院(急性期の負荷軽減、生活リズム再構築など)
- ケースワーク目的の長期入院(社会資源の調整、生活基盤の再構築)
- アルコール依存症の入院治療(ARP=アルコール依存症リハビリテーションプログラム目的の入院)
- 本人の安全確保が必要な入院治療(例:医療保護入院など。※法的要件や手続きは病状と状況により異なります)

③ 国家公務員共済組合連合会 虎の門病院

虎の門病院は、港区虎ノ門にある、多くの診療科をそなえた総合病院です。当院からは主に、身体の病気の精密検査・治療が必要な場合や、同院精神科での検査入院が役立つと考えられる場合にご紹介します。
主なご紹介の目的
- 身体の病気の精密検査・治療(内科系・外科系の各診療科)
- こころの不調と身体の病気が重なっている場合の、身体面の精査・治療
- 同院精神科で行われている、うつ状態・適応障害の方を対象とした7日間の検査入院コースのご相談(治療方針を明確にすることを目的としたものです)
同院精神科の病床は、精神保健福祉法(精神科の入院などを定めた法律)にもとづく精神科病床ではなく一般の病床のため、ご本人が治療の約束を結べる方が入院の対象です。強い興奮状態や、自傷・自殺の危険が抑えにくい状態などは、精神科専門病院での治療が検討されます(同院の公開情報より)。
④ 東京逓信病院

東京逓信病院は、飯田橋駅に近い千代田区富士見にある総合病院です。当院からも近く、身体の病気の検査・治療が必要な場合にご紹介します。
主なご紹介の目的
- 身体の病気の検査・治療(内科系・外科系の各診療科)
- こころの症状の背景に身体の病気が隠れていないかの精査
同院の精神科外来診療は、2026年6月をもって終了しています(同院の公開情報より)。精神科の治療は当院が担い、身体面の検査・治療について同院と連携します。同院精神科に通院されていた方の転院のご相談も承ります。その際は紹介状(診療情報提供書)をお持ちいただくと、これまでの治療経過を引き継ぎやすくなります。
⑤ JCHO 東京新宿メディカルセンター

JCHO(独立行政法人 地域医療機能推進機構)東京新宿メディカルセンターは、当院と同じ新宿区内、飯田橋駅の近くにある総合病院です。地域医療支援病院(地域の診療所を支える役割を担う病院として、都道府県知事の承認を受けた病院)として、地域の医療機関と連携した診療を行っています。
主なご紹介の目的
- 身体の病気の検査・治療(内科系・外科系の各診療科)
- CT・MRIなどの画像検査を含む精密検査
- 同院精神科(心療内科)での、もの忘れ(認知症)の診断・治療のご相談
同院精神科(心療内科)の外来は、初診も含めて予約制です(同院の公開情報より)。ご紹介が必要かどうかは、当院での診察を踏まえて判断します。
⑥ 東京女子医科大学病院

東京女子医科大学病院は、新宿区河田町にある大学病院です。多くの専門診療科をそなえており、当院からは専門性の高い身体の病気の検査・治療や、精神科での入院治療が必要な場合のご相談先となります。
主なご紹介の目的
- 専門性の高い身体の病気の検査・治療
- 同院神経精神科での入院治療のご相談(同院の精神科病棟は、男女混合の開放病棟〈出入りの制限がない病棟〉です)
同院では、入院治療の目的が達成された後は外来通院や他院での治療へ移行する方針で、長期の入院は難しいとされています(同院の公開情報より)。退院後は、当院での継続治療をご相談いただけます。
⑦ 国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター

国立国際医療センターは、新宿区戸山にある国立の総合病院です(旧称:国立国際医療研究センター病院)。当院からは、身体の病気の検査・治療が必要な場合にご紹介します。
主なご紹介の目的
- 身体の病気の検査・治療(内科系・外科系の各診療科)
- こころの症状の背景に身体の病気が隠れていないかの精査
同院の精神科は入院診療を休止しており、精神科外来も原則として同院の他の診療科に通院中の方が対象です(同院の公開情報より)。そのため、精神科の治療は当院で継続し、身体面の検査・治療について同院と連携します。
ご留意ください:各医療機関の診療体制や受け入れ条件は、各医療機関の判断により変更されることがあります。最新の情報は、各医療機関のホームページでご確認ください。紹介先での検査・治療の内容や入院の可否は、紹介先の医師が最終的に判断します。
3. 紹介までの流れ
ご紹介は、当院での診察・評価から始まり、紹介先での治療後は当院でのフォローへと戻る、5つのステップで進みます。
- 1当院で診察・評価
症状、生活状況、安全性、治療歴を確認します。必要に応じて、身体の病気の可能性も含めて検討します。 - 2治療方針の相談
外来継続/入院/専門治療・精密検査の適否を説明し、ご本人・ご家族のご希望をうかがいます。 - 3紹介状の作成
必要な情報を整理し、紹介先へ連絡・調整します。 - 4紹介先での診察・入院判定
最終的な検査・治療の内容は、紹介先の判断になります。 - 5退院後・治療後のフォロー
当院で継続治療、再発予防、生活支援の調整を行います。
4. よくあるご質問(FAQ)
医療連携について、よくいただくご質問とその回答をまとめました。
そのほかのご質問は、よくある質問のページもご覧ください。
5. 注意点(安全・費用・個人情報)
緊急性が高い場合は救急対応が優先されること、紹介には費用がかかること、情報提供は必要な範囲に限ることの3点にご留意ください。
- 緊急性が高い場合(強い希死念慮、興奮、錯乱、重い離脱症状など)は、当院の通常の紹介ルートよりも、救急対応が優先されることがあります。
- 紹介に伴い、診療情報提供料(紹介状作成費)が発生します(保険診療)。
- 連携先への情報提供は、診療に必要な範囲で行い、個人情報保護法等に基づいて適切に取り扱います。
- 紹介先での検査・治療の効果や経過には個人差があります。
お急ぎの場合・安全が確保できないと感じるとき
もし、今すぐ消えてしまいたいという気持ちが強く、行動に移してしまいそうな場合や、ご自身(ご家族の場合はご本人)の安全が確保できないと感じる場合は、当院へのお問い合わせや予約の前に、すぐに下記の窓口にご相談いただくか、119番に通報してください。
- こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(お住まいの地域の公的な相談窓口につながります)
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」(相談窓口の案内)
- 東京消防庁 救急相談センター #7119
- 東京都 精神科二次救急医療機関の案内(「ひまわり」)
6. 予約・受診のご案内
医療連携の必要性は、病状や生活状況によって判断が変わります。まずは当院で状況を整理し、最適な治療方針を一緒に検討します。初診・再診のご予約はWebからお取りください。初めての方は初診のご案内もご確認ください。
神楽坂駅 1b出口より徒歩1分以内/精神科・心療内科
7. 参考文献・参考情報
本ページの連携先に関する記載は、各医療機関が公開している情報をもとにしています。
- 慶應義塾大学病院 精神・神経科
https://www.hosp.keio.ac.jp/shinryo/neuropsy/ - 公益財団法人 井之頭病院
https://www.inokashira-hp.or.jp/ - 虎の門病院 精神科:基本情報
https://toranomon.kkr.or.jp/cms/departments/psychiatry/ - 東京逓信病院 精神科(精神科外来診療終了のお知らせ)
https://www.hospital.japanpost.jp/tokyo/shinryo/seishin/index.html - JCHO東京新宿メディカルセンター 精神科(心療内科)
https://shinjuku.jcho.go.jp/medicalsubjects/%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%EF%BC%88%E5%BF%83%E7%99%82%E5%86%85%E7%A7%91%EF%BC%89/ - 東京女子医科大学 神経精神科「入院のご案内」
https://www.twmu.ac.jp/PSY/nyuin.html - 国立国際医療センター 精神科
https://www.hosp.jihs.go.jp/s013/index.html - 政府広報オンライン「紹介状なしで大病院を受診すると特別の料金がかかります。」
https://www.gov-online.go.jp/article/201603/entry-8034.html - 厚生労働省「まもろうよ こころ」
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/
(各サイトの閲覧日:2026年9月19日)
最終更新日:2026年9月19日
【監修・執筆】永井常高(神楽坂メンタルクリニック院長・精神保健指定医・精神科専門医/指導医)